生活習慣病

生活習慣病に関連する病気生活習慣病にはこのような疾患があります

高血圧とは

高血圧とは、心臓から送り出される血液が動脈の内壁を押す圧力（血圧）が異常に高くなった状態です。

症状

高血圧自体には、ほとんど自覚症状がありません。頭痛やめまい、鼻血などが現れることもありますが、多くの場合は無症状です。しかし、高血圧による動脈硬化が進行すると、心臓、腎臓、眼などの臓器に障害が生じ、脳梗塞や心筋梗塞など命に関わる合併症を引き起こす恐れがあります。

原因

高血圧は原因によって「二次性高血圧」と「本態性高血圧」に分けられます。

治療・予防

高血圧の治療では、生活習慣の改善が基本となります。

• 塩分摂取量の制限（1日6g未満）
• バランスの良い食事
• 適度な運動
• 禁煙
• 適正飲酒（日本酒なら1日1合程度）
• 十分な睡眠とストレス管理

生活習慣の改善だけでは血圧コントロールが難しい場合や、合併症リスクがある場合は、カルシウム拮抗薬、ACE阻害薬、利尿薬、β遮断薬などの降圧薬による治療をおこないます。

糖尿病とは

糖尿病は、血液中のブドウ糖濃度（血糖値）が慢性的に高い状態が続く病気です。

これより高い状態が高血糖です。
通常、膵臓から分泌されるインスリンの働きによって血糖値は調整されますが、インスリンの分泌量が少ない、または働きが低下すると、血糖値が上昇します。

症状

糖尿病自体の自覚症状は乏しいですが、喉の渇き、頻尿、倦怠感、体重減少などが現れることがあります。最も恐ろしいのは慢性的な高血糖による合併症で、全身の血管にダメージを与え、さまざまな合併症を引き起こします。

糖尿病三大合併症

原因

糖尿病は主に2つのタイプに分けられます。

治療・予防

糖尿病の治療では、食事療法、運動療法、薬物療法の3つが基本となります。

脂質異常症とは

脂質異常症は、血液中の脂質（コレステロールや中性脂肪）の濃度が異常値を示す状態です。診断基準は以下の通りです。

症状

脂質異常症自体には自覚症状はほとんどありませんが、放置すると血管内にコレステロールが付着し、動脈硬化を進行させます。その結果、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などの重篤な合併症を引き起こす恐れがあります。

原因

脂質異常症の主な原因は、動物性脂肪の過剰摂取や運動不足などの生活習慣です。また、遺伝的要因や他の疾患（糖尿病、甲状腺機能低下症など）、薬剤の影響で発症することもあります。

治療・予防

脂質異常症の治療では、食事療法が基本となります。

• 動物性脂肪（肉、卵、乳製品）の摂取を控える
• 野菜、キノコ、海藻類（食物繊維）を積極的に摂る
• 大豆製品（豆腐、納豆）を積極的に摂る
• 青魚（EPA、DHAを含む）を積極的に摂る

また、禁煙、適度な運動、適量飲酒、ストレス管理も重要です。
生活習慣の改善だけでは脂質値が改善せず、動脈硬化リスクが高い場合は、スタチン、フィブラート、EPA・DHA製剤などの薬物療法をおこないます。

高尿酸血症とは

高尿酸血症は、血液中の尿酸値が7.0mg/dlを超えた状態です。尿酸はプリン体（細胞内に広く存在する物質）を分解した際にできる老廃物で、通常は腎臓から排泄されます。
尿酸は水に溶けにくい性質があり、血中濃度が高い状態が続くと結晶化し、関節に沈着して強い炎症と痛みを引き起こします。これが「痛風」です。

症状

高尿酸血症自体には症状はありませんが、痛風発作が起こると、足の親指の付け根など関節に激しい痛みや熱感、腫れが現れます。発作は数日で収まりますが、高尿酸血症を放置すると発作を繰り返し、関節変形や腎機能障害などの合併症を引き起こします。

原因

高尿酸血症の原因は主に2つあります。

• 尿酸排泄低下型（腎臓からの尿酸排泄が低下するタイプ）
• 尿酸産生過剰型（体内での尿酸産生が過剰になるタイプ）

プリン体を多く含む食品（レバー、魚卵、肉類）の過剰摂取や過度の飲酒（特にビール）、運動不足、肥満などが危険因子となります。

治療・予防

高尿酸血症の治療では、まず食事療法が基本となります。

• プリン体を多く含む食品（レバー、魚卵、ビールなど）の摂取を控える
• 水分を十分に摂る
• 野菜を積極的に摂る
• 適度な運動をおこなう

痛風発作のリスクがある場合は、尿酸降下薬による薬物療法もおこないます。尿酸の産生を抑える薬や、尿酸の排泄を促進する薬などがあります。