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こんなお悩みありませんか？
- 下痢や血便が続いている
- お腹の痛みが頻繁に起こる
- 便に粘液や血液が混じることがある
- 症状が良くなったり悪くなったりを繰り返している
- 外出時にトイレの場所が気になって不安
このような症状や悩みをお持ちの方は、早期の適切な診断と治療が大切です。お気軽に当院にご相談ください。
潰瘍性大腸炎とは
潰瘍性大腸炎は「炎症性腸疾患」（IBD：inflammatory bowel disease）のひとつで、大腸の粘膜にびらん（ただれ）や潰瘍（粘膜下層までのえぐれ）ができる慢性疾患です。直腸から連続的に口側（上行方向）へと炎症が広がるのが特徴です。
原因が明確になっていない長期治療が必要な疾患であるため、日本では「指定難病」に指定され、医療費助成の対象となっています。
| 患者数 | 約16万6,000人（平成25年度末時点、人口10万人あたり約100人） |
|---|---|
| 性差 | 男女差はない |
| 発症年齢 | 男性は20～24歳、女性は25～29歳にピーク |
潰瘍性大腸炎の分類
潰瘍性大腸炎は以下のような基準で分類されます。
重症度分類
症状や検査結果の重さによる分類
| 軽症 | 軽い腹痛と1日4回以下の下痢・血便 |
|---|---|
| 中等症 | 軽症と重症の間の症状 |
| 重症 | 1日6回以上の下痢・血便、発熱、頻脈、貧血など |
| 劇症 | 重症の症状に加え、大量出血や腹膜炎などの合併症がある状態 |
病期分類
病気の活動状態による分類
| 活動期 | 症状が悪化している時期 |
|---|---|
| 寛解期 | 症状が落ち着いている時期 |
病変の広がりによる分類
炎症の範囲による分類
| 直腸炎型 | 直腸のみに炎症がある |
|---|---|
| 左側大腸炎型 | 直腸から下行結腸まで炎症がある |
| 全大腸炎型 | 横行結腸より口側まで炎症が広がっている |
臨床経過による分類
病気の進行パターンによる分類
| 再燃寛解型 | 症状が良くなったり悪くなったりを繰り返す |
|---|---|
| 慢性持続型 | 症状が長期間続く |
| 急性劇症型 | 短期間で重症化する |
| 初回発作型 | 初めての発症 |
主な症状
潰瘍性大腸炎は、病状が悪化する「再燃」と病状が落ち着く「寛解」を繰り返すことが特徴です。
主な症状
- 下痢（炎症により水分吸収が妨げられる）
- 腹痛（腸管の痙攣や炎症による）
- 血便（炎症による粘膜からの出血）
症状の現れ方は、炎症の部位や程度によって異なります。また、発熱や貧血、倦怠感といった全身症状が見られることもあります。腸管以外にも皮膚、関節、眼などに合併症が現れることもあります。
寛解期においても腸の炎症は持続している場合があり、病気が進行して大腸がんを合併するリスクもあります。
原因
潰瘍性大腸炎の明確な原因は解明されていませんが、次の要因が複合的に関与していると考えられています。
- 免疫系の異常（本来は異物から体を守る免疫システムが自身の細胞を攻撃）
- 腸内細菌のバランスの乱れ
- 食生活の変化
- 遺伝的要因
検査方法
血液検査
炎症の状態、貧血、栄養状態などを評価するために定期的に実施します。
便検査
- 便潜血検査（わずかな出血を調べます）
- 便中カルプロテクチン検査（便中の炎症マーカーから大腸の炎症を判断）
- 便培養検査（再燃に関与する病原性細菌の有無を調査）
大腸内視鏡検査（大腸カメラ）
潰瘍性大腸炎の診断に最も重要な検査です。大腸粘膜を直接観察し、炎症の程度や範囲を確認します。また、組織を採取（生検）して病理検査をおこなうことも可能です。
CT検査
重症例や内視鏡検査が困難な場合に実施し、他の腹部疾患との鑑別や合併症の確認に役立ちます。
治療方法
潰瘍性大腸炎の治療は、症状の重症度に応じて以下の治療法が選択されます。
内科的治療（薬物療法）
5-アミノサリチル酸薬（5-ASA）
大腸の炎症を直接抑える薬剤です。軽症から中等症の患者さまに使用され、内服薬、注腸薬、坐薬の形態があります。腹痛・下痢・血便といった症状の改善だけでなく、再燃予防にも効果があります。
副腎皮質ステロイド薬
強力な抗炎症作用を持ち、中等症から重症の患者さまに使用されます。内服薬や点滴薬があります。短期間で症状を改善させる効果がありますが、長期使用による副作用や再燃防止効果がないことが課題です。
血球成分除去療法
血液を体外に取り出し、炎症に関わる白血球などを除去してから体内に戻す治療法です。ステロイド薬が効かない患者さまに使用され、副作用が少ないのが特徴です。
免疫調節薬・免疫抑制薬
ステロイド薬を減量すると症状が悪化する「ステロイド依存例」や、ステロイド薬が効かない「ステロイド抵抗例」に使用されます。効果の個人差が大きく、日本人は少量で効果が出ることが多いとされています。
生物学的製剤（抗TNFα抗体など）
炎症を引き起こす物質（TNFαなど）に直接作用する薬剤です。高い有効性があり、安定した寛解維持が期待できます。点滴薬や皮下注射薬があり、一部は自己注射も可能です。
外科的治療（大腸全摘）
以下のような場合に大腸を切除する手術が検討されます。
- 内科治療が効かない重症例
- 大量出血や腸管穿孔などの緊急時
- 大腸がんを合併している、またはその疑いがある場合
- 薬剤の副作用などで内科治療が続けられない場合
くずもと内科クリニックでの潰瘍性大腸炎診療
くずもと内科クリニックでは、高安駅前という便利な立地で、潰瘍性大腸炎をはじめとする炎症性腸疾患の診断・治療をおこなっています。定期的な内視鏡検査や血液検査によるモニタリングを通じて、患者さまお一人ひとりの状態に合わせた治療を提案しています。
症状でお悩みの方、診断を受けて治療中の方は、お気軽に当院にご相談ください。また、当院では、指定難病の申請に必要な診断書の作成や療養上のアドバイスなどもおこなっています。
